ガーミン先生の言うことを聞かない生徒による、Forerunner 265の正直レビュー

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先に自己紹介をしておくと、私は59歳の市民ランナーです。40代前半に走り始め、2026年の春、通算22大会目のフルマラソンでようやくサブ4(ネットタイム)を達成しました。

ガジェットに強いわけでも、ランニング理論に詳しいわけでもありません。だからこれは、スペック表を並べる専門レビューではなく、「ごく普通の中高年ランナーが、Forerunner 265を1年半使って、実際どうだったか」という、ただの正直な記録です。

結論から言うと——機能の半分も使いこなしていません。それでも、後悔はしていません。

買った経緯:エプソンのサポート終了で、半ば強制的に

購入は2024年10月頃です。

それまで私は、エプソンのGPSウォッチ「J-300」を長年使っていました。ところが、エプソンがランニングウォッチ事業から撤退し、メーカーサポートが終了。アプリとの連携ができなくなってしまったんです。

同じ「エプソン難民」の方なら、あの困った感じが分かると思います。時計としてはまだ動くのに、記録が活かせない。

前々からガーミンは気になっていました。ただ、値段はグレードにもよリますがそれなりにし、高スペックほど魅力的に見えます。結局購入したForerunner 265は、自分レベルのランナーが持つには正直ハイスペックだと、分かってはいました。分かってはいましたが、欲しさが勝り、最後は勢いで買いました。 買い物なんて、だいたいそんなものだと思います。

実際に使っている機能

基本は「距離・ペース・心拍」の3つだけ

普段の練習で見ているのは、ほぼこの3つです。機能が多すぎて、正直、使いこなせていません。でも、この3つが正確に取れるだけで、練習の質は変わりました。

GPSの精度:エプソン時代の「大幅なズレ」がなくなった

これは買い替えて一番はっきり感じた進歩です。エプソンJ-300では、たまに距離が大幅にズレることがありましたが、Forerunner 265ではほとんどありません。

ひとつ付け加えると、フルマラソンの本番では、42.195kmのコースを走り終えたとき、時計の距離は42.5kmくらいになっています。最初は「ズレてる?」と思いましたが、これは時計のせいというより、コースの距離が最短ラインで計測されているのに対し、実際のランナーは給水に寄ったり人を避けたりして、最短より長く走っているからのようです。本番では「時計の1km表示は、コースの距離表示より少し先に進む」と覚えておくと、ペース計算で慌てません。

レース予測タイム:練習のモチベーションになる(ただし謎もある)

出場する大会を登録すると、「今のあなたならこのタイムで走れます」みたいな予測を出してくれます。

この数字が、練習を頑張る気にさせてくれる。私がサブ4を狙った冬、走り込みの目安にしたのはこの予測タイムでした(私の場合、本番は予測より約5分遅い、という実測の話は別記事に書きました)。

ただし、謎もあります。それなりに練習しているのに、予測タイムがどんどん遅くなる時期があるんです。仕組みはよく分かりませんが、おそらく「ただ無意識に走るだけ」ではダメで、練習の中身を見られているのだと思います。数字に一喜一憂させられるのも含めて、面白い機能です。

VO2Max:上がると嬉しい。下がる理由は分からない

最大酸素摂取量の推定値です。数字が上がるとモチベーションが上がります。ただこれも予測タイム同様、練習していても下がることがあり、練習メニューに変わり映えがないので、どの練習が効くのかは、正直よく分かっていません。しかし、距離が多い時は、やはり高くなるような気がします。

心拍計測:便利だが、鵜呑みにはしていない

練習中の心拍は常に見ています。ただ、体感的には楽に走っていても、やや高めに出る印象があります。

それと、ごくまれにですが、走り始めから5kmくらいまで、明らかに低すぎる数値が表示されることがあります。不思議なことに、そこから先はいつも通りの数値に戻ります。手首で測る光学式センサーは走り始めに乱れやすい、という話は聞くので、そういうものなのかもしれません。頻度は低いので、実用上困ってはいません。

もっとも、自分で脈を取って検証したわけではないので、時計が正しくて私の体感の方が間違っている可能性も十分あります。

睡眠計測とリカバリータイム:意外と参考にしている

数値がどこまで正確かは分かりませんが、睡眠の記録はそれなりに参考にしています。特にリカバリータイム(回復までの目安時間)は、疲労がひどいときに練習量を調整する判断材料にしていて、59歳の体には、こういう「休め」と言ってくれる機能がありがたい。

おすすめ練習メニュー:素晴らしい機能。ただし私は不真面目な生徒

目標レースと目標タイムを設定すると、そこから逆算した1週間の練習メニューを提示してくれます。これは素晴らしい機能だと思います。

思いますが——正直に白状すると、私はその通りに練習していません。 結局、その日の体調で走るだけの自己流に戻ってしまう。ガーミン先生の言うことを聞かない、不真面目な生徒なんです。なので、この機能の適正な評価は、私にはできません。真面目な生徒なら、もっと速くなれるんだと思います。

ただ、たった一つだけ守ったことがあります。ジョグのときの指定心拍を超えないようにする、それだけです(それも、守る日と守らない日があるいい加減さですが)。

これで速くなったかは分かりません。ただ、ペースを落とすと脚への負担が軽くなる感覚があり、そのぶん走る日を増やせました。距離が積めたのは、案外これのおかげかもしれません。

使っていない機能(ここが一番大事かもしれません)

音楽機能:「あった方がいい」と思って買い、全く使っていない

スマホを持たずに音楽が聴ける——それは便利だと思い、音楽機能があるモデルを選びました。

結果、全く使っていません。

理由は単純で、私は走っている最中、音楽だけでなくYouTubeを聴きながら走ることも多く、家族からの連絡を受けられるようにする意味でも、結局スマホを持って走るからです。スマホを持つなら、時計の音楽機能の出番はありません。

これから買う方は、「自分はスマホを持って走るのか、置いて走るのか」——自分のランニングスタイルを先に考えてから、機能の有無を判断することをおすすめします。私はそこを考えずに買いました。

Suica:車生活なので出番なし

通勤も日常の移動も車なので、使う場面がまったくありません。都市部にお住まいで、ランニングついでにコンビニに寄るような方なら活きる機能だと思います。これも住んでいる環境次第です。

地図機能:そもそも付いているのかすら知らない

正直に書きます。私はこの時計に地図機能が付いているのかどうか、把握していません。1年半使って、です。つまり、私のような使い方なら、なくても全く困らない機能だということです。

不満な点:探したのですが、ありません

レビューとしては短所も書くべきなのでしょうが、正直に言うと、「ここは困る」と感じた場面が思い当たりません。

私にとってはオーバースペックなのかもしれませんが、オーバースペックで困ることは何もない、というのが1年半使った実感です。

買い替えるなら:同じで十分。でも……

もし壊れて買い替えるなら、同じForerunner 265で十分です。

ただ、上位モデルにある「見知らぬ土地で、ランニングコースを自動で作ってくれる機能」——あれを見ると、正直、欲しくなります。使う場面は滅多にないと分かっているのに、欲しくなる。ガジェットとは、そういうものですね。

まとめ:どんな人に、どうか

1年半使った私の結論です。

  • 私のように「距離・ペース・心拍+予測タイムでモチベ管理」ができれば十分な人 → Forerunner 265で不足なし。むしろ余ります
  • スマホを持って走る人 → 音楽機能は使わない可能性が高いです。私がそうでした
  • エプソンからの乗り換え組 → GPSの安定感は確実に進歩を感じられます。安心して移住してください
  • ガーミン先生の言うことを素直に聞ける真面目な生徒 → おすすめ練習メニュー機能まで活かせるので、私より元が取れるはずです

5万円超は、確かに安くありません。私も「自分には過ぎたもの」と思いながら買いました。でも、59歳でサブ4を目指した冬、走り込みの量を決める根拠をくれたのはこの時計でした。その一点だけで、私は元を取ったと思っています。


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