観客のいない場所では、ちょっと歩いていた

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40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第7話。人生で初めて本気で練習して臨んだ大会の話です。

近所の大会は、年明けの大会の2ヶ月後に控えていました。歩く姿を知り合いに見られたくない――その一心で、私は人生で初めて、本気(?)で練習に取り組みます。

怠け者なりの、人生でいちばんハードな練習

これまでの私は、フルマラソンが終わると、しばらく走るのをお休みするのが常でした。でも今回は、その休養を返上。レースのわずか1週間後、筋肉痛や関節痛がなんとか和らいだ頃から、もう練習を再開しました。

とはいえ、練習メニューなんて考えたこともありません。だから発想は、いたって安直でした。「とにかく距離を走ればいいだろう」。 それだけ。

まずは週1回、10km以上を走るところからスタート。そしてレース2週間前には、練習でハーフマラソンの距離も走りました。最終的には、平日に1〜2回10km、週末に20km程度――自分としては、人生でいちばんハードな練習です。幸い、どこかを痛めることもなく、本番を迎えられました。

初めて「作戦」を立てて走る

本番。私は初めて、ペース配分というものを意識しました。

「前半に頑張りすぎると、後半に足が持たない」――どこかでそんな話を聞いたことがあったんです。そこで前半は、キロ6分ちょいのペースで、どこまで行けるか様子を見ながら走りました。

結果、足はいつもよりは確かに持ちました。……が、それでも33kmあたりで、やっぱり足は終わってしまった。 そう簡単に、別人にはなれません。

観客の多いところだけ、必死で走った

さあ、ここからが私の本性です。

足が終わってからも、観客の少ない区間では、正直ちょっと歩いていたと思います。知り合いが見ているわけでもないし、まあいいか、と。

ところが、観客の多いところに差しかかると、急にそれなりに頑張って走る。

練習の成果なのか、見栄っ張りの性格が出たのか――おそらく後者です。観客の多い場所でだけ、頑張って走る。我ながら、どこまでも正直な見栄っ張りでした。

4時間20分台 ―― 初めて5時間を切った。それも、大幅に

そうしてゴールしたタイムは、4時間20分台

5時間オーバーが定位置だった私にとって、これは40分以上の大躍進。文句なしの自己ベストでした。そして当初の目標だった「ほとんど歩かずに走り切る」も、なんとか達成。

健康のためでもなく、記録への情熱でもなく、ただ「知り合いに歩く姿を見られたくない」という見栄だけで、ここまで来てしまった。我ながら、不思議なものです。

記録に満足し、サブ4など考えもしなかった

ただ、ここで私が”ストイックなランナー”に目覚めた――なんてことは、まったくありません。

このレースが終わると、私はまた、しばらく練習なしの日々に戻りました。そして翌年も、同じ2つの大会に出場します。

結果は、見栄っ張りらしいものでした。知り合いの目のない、気楽な遠方の大会は4時間後半。一方、知り合いに見られるかもしれない地元の大会は、4時間15分くらい。見られている方で、ちゃんと記録を伸ばしている。本当に分かりやすい性格です。

この時点でも、私はまだ記録に満足していて、「サブ4を目指そう」なんて、これっぽっちも考えていませんでした。4時間ちょっとで走れれば十分だ、と。

――ところが翌年、その「サブ4」が、自分でも思いがけない形で、視界に入ってくることになります。

(続く)


📋 この時期の記録

  • 年齢:49歳
  • 練習:1月の大会の約10日後から再開。週1回10km以上+1月末〜2月中旬に20km級の走り込みを2回ほど(練習でのハーフ含む)
  • 結果:4時間20分台(自己ベストを約40分更新)。翌年(50歳)は1月の大会4時間40分あたり・地元4時間15分くらい
  • 私の場合:メニューを知らなくても、「距離を踏むだけ」で5時間オーバーから40分縮まりました

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