「あれ、4時間切れるんじゃないか?」

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40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第8話。「サブ4」が初めて視界に入った年の話です。

前年まで、私は「サブ4」なんて言葉を、自分とは無縁のものだと思っていました。4時間ちょっとで走れれば、それで十分。満足していたんです。

その「サブ4」が、思いがけず現実味を帯びてくる年が来ます。しかも、必死に頑張った結果ではなく――気づいたら、でした。

仕事が、知らないうちに足腰を鍛えていた

その年、私は特別に頑張ったつもりはありませんでした。

ただ、仕事の関係で、自然と足腰を使い、鍛えるような状況があったんです。意識してトレーニングしたわけではない。日々の仕事の中で、知らず知らず脚ができていた。

すると、あるとき気づきました。いつも通りの練習が、少し楽に感じる。 同じ気分で走っているのに、ペースがほんの少し速くなっている。頑張ったわけでもないのに、地力がついていたんです。

ハーフで1時間51分。「あれ?」

その手応えがはっきりしたのが、遠方の大会の1ヶ月前。練習がてら、ハーフマラソンに出場したときでした。

タイムは、1時間51分

自分でも驚きました。そして、こう思ったんです。「あれ? このペースで行けたら、もしかして4時間、切れるんじゃないか?」

生まれて初めて、「サブ4」という言葉が、現実の手触りを持って頭にちらついた瞬間でした。

頑張らないはずの大会で、つい頑張る

1ヶ月後、遠方の大会本番。

この大会はアップダウンが激しく、もともとサブ4を狙うような場所ではありません。だから今回も気楽に……のはずでした。

ところが、地力がついた手応えがあるものだから、これまであまり頑張らなかったこの大会で、いつもなら歩くところをつい頑張って走ってしまった。結果は4時間20分。前年より、なんと20分も速い。

こうなると、いよいよです。2ヶ月後に控えた地元の大会で、「サブ4達成」が、現実の目標として頭をよぎり始めました。

50を過ぎた体は、正直だった

ところが、ここで誤算が生じます。

いつもは無理をしない遠方の大会で、つい頑張りすぎてしまった。その反動なのか、その後の練習で、まったく疲労が抜けないんです。 いくら走っても、ペースがまるで上がらない。

若い頃なら、すぐに回復したのかもしれません。でも、50を過ぎた体は正直でした。無理をすれば、そのツケをきっちり返してくる。サブ4が見えた矢先に、体の方が「待った」をかけてきたわけです。

サブ4ペースで突っ込んで、撃沈

疲労が抜けきらないまま、地元の大会当日を迎えました。

それでも、「頑張れば、サブ4に届くかもしれない」。その思いを捨てきれず、私はスタートからサブ4ペースで突っ込みました。

……結果は、ご想像の通りです。35kmあたりで、見事に失速。 タイムは4時間10分台でした。

自己ベストは、また更新できた。それは素直に嬉しい。でも同時に、50を過ぎた体で無理を押し通すことの限界も、はっきりと感じたレースでした。

あと、ほんの少し ―― のはずだった

それでも、サブ4は確かに見えていました。4時間10分。あと10分。来年こそ、ちゃんと体を整えて、サブ4に挑もう。素直に、そう思いました。

――ところが、その直後。私の生活を、根こそぎ変えてしまう出来事が起こります。

サブ4どころか、せっかく積み上げた走力さえ、するすると手放すことになるとは。このときの私は、思ってもいませんでした。

(続く)


📋 この時期の記録

  • 年齢:50〜51歳
  • 練習:仕事で自然に足腰が鍛えられていた+10月以降は週2回・1回10〜20km(月間100〜140km)、12月以降は25km超を月1〜2回
  • 結果:ハーフ1時間51分 → 1月の大会4時間20分 → 3月の地元4時間10分(当時の自己ベスト)
  • 私の場合:50代の疲労は想像以上に抜けない。一つのレースで頑張りすぎた反動が、2ヶ月後まで残りました

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