40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第12話。3年ぶりの復帰レースの話です。
3年連続の中止を乗り越えて、ついに、大会が戻ってきました。
エントリーし、無事に当選。「今年こそは、大丈夫だろう」。久しぶりに、私はモチベーションを保てる状態になっていました。
それでも、まだ油断はできなかった
ただ、コロナが完全に去ったわけではありませんでした。
その証拠に――大会の半年前、私は人生で初めて、コロナに感染します。幸い症状は軽く、レースへの影響はまったくありませんでしたが、「ああ、まだまだ安心はできないのかもしれないな」と、改めて思わされる出来事でした。
練習は、相変わらず人目を忍びながら。知り合いに見られたくないという昔からの性分に、コロナで人を避ける事情も重なって、私はますます、こっそり走る人になっていました。
体感は「4時間20分」
3年のブランクはありました。それでも、体重は太る前まで戻っていたし、練習も少しずつ積めていた。
これまでの経験に基づく体の感覚として、「まあ、4時間20分では走れるだろう」。かつて初めて自己ベストを出したときと、似たような手応えがあったんです。そんなふうに、おおむね満足した状態で、私はスタートラインに立ちました。
何より、3年ぶりに大会で走れる。そのこと自体が、素直に嬉しかったんです。
ところが、後半 ―― 体が、思うように動かない
ところが、走り始めてみると、どうも様子が違う。
前半はよかったんです。問題は後半でした。思っていた以上に、足がきつい。「4時間20分」だったはずの体感が、後半になればなるほど、現実とずれていくんです。
結果は、4時間38分。体感より、20分は遅い。
体感と結果の、ズレ
正直、少し戸惑いました。
自分の体感では、もっと走れるはずだった。なのに、結果がついてこない。「体で感じている力」と「実際に出るタイム」の間に、これまで感じたことのないズレが生まれていたんです。
このときは、「3年ぶりなんだから、こんなものだろう」と思うことにしました。ただ、正直に言えば――「年齢」という言葉が、初めてちらりと頭をよぎってもいました。
今になって思えば、これは年齢という、誰にも避けられない相手からの、最初の小さなサインだったのだと思います。
それでも、満足だった
とはいえ、このレースを、私はおおむね満足して終えました。
何しろ、3年ぶりです。また、あのスタートラインに立てた。ゴールまでたどり着けた。それだけで、十分でした。
かつて4時間10分で走り、サブ4を目前にした男。その記録には、まだ遠く及びません。でも、あの長い空白を思えば、戻ってこられただけで御の字でした。
ただ――心の片隅には、あの「体感と結果のズレ」が、小さな棘のように残っていました。
この小さな違和感が、やがて私を、思いもよらない挑戦へと向かわせることになるとは。このときは、まだ知る由もありませんでした。
(続く)
📋 この時期の記録
- 年齢:56歳
- 練習:大会前4ヶ月は平均で月120km(最高170km)。20km超の回数は自己ベスト時よりやや少ない程度
- 結果:4時間38分(3年ぶりの復帰レース)
- 私の場合:体感は「4時間20分」。結果は4時間38分。20分近いズレに、「年齢」が初めて頭をよぎったレースでした

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