40代、「自分には何もないな」と思ったとき、私はまた走り出した

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40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第4話。走る人を見下していた私が、40代半ばでまた走り出した理由の話です。

前回、私は「劇的なきっかけなんてない」と言いました。それは本当です。

でも、まったく理由がなかったわけでもありません。今日はその「小さな理由」の話です。

マラソンブームと、「自分には何もないな」という気持ち

当時、世間はちょっとしたマラソンブームでした。私の周りにも、ぽつぽつと大会に出る人が現れ、その手の話をする機会が増えていました。

ちょうど40代を迎えたころです。ふと、こんな気持ちがよぎりました。

「自分には、何もないな」

そんなとき思い出したのが、20代のあの記憶です。キツかったけれど、ほとんど練習もせずにフルマラソンを完走した、あのバカみたいな経験。

「まあ、とりあえず軽くジョギングでもしてみるか」――その程度の軽さで、私はまた走り始めました。

5分すら、走れなかった

ところが、現実は甘くありませんでした。

走ってみると、20代の頃とはまるで違う。すぐに息が上がり、たった5分走ることすら、キツい。 体は正直に、20年のブランクと年齢を突きつけてきました。

普通なら「もう無理、やめた」となるところです。でも――なぜか私は、ここで辞めようとは思いませんでした。今でも、自分でも不思議です。

「これ以上ゆっくりは無理」というペースで、20分

私が決めたのは、ささやかなルールでした。

週に1回くらい。これ以上ゆっくりは走れない、これ以下だと歩いている、というギリギリのペースで、20分だけ走る。

最初、この20分はとてつもなく長く感じました。でも、走るたびに少しずつ――本当に少しずつですが、その20分が楽に感じられるようになっていったんです。この小さな変化が、地味にうれしかった。

怠け者だから、逃げ道を塞ぐ

ただ、ここで私の本性が問題になります。

私はもともと、怠惰な人間です。楽したい、面倒なことは嫌い。放っておくと、必ず何か理由をつけてサボる。そういう習性が、しっかり染みついています。

このままでは、この20分の習慣もいつか消えてなくなる。自分が一番よく分かっていました。

そこで私は、怠け者なりの作戦に出ます。

フルマラソンにエントリーして、逃げられない環境を、先に作ってしまう。

申し込んでお金を払ってしまえば、さすがの私も練習せざるを得ない。意志の弱さを、仕組みで補おうとしたわけです。

ただし、目標は「記録」ではなかった

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

私がフルマラソンに申し込んだのは、いいタイムを出したかったからではありません。目標は、もっと切実で、もっと情けないものでした。

「走ったその翌日に、ちゃんと仕事へ出勤できる程度の走力をつける」

――そう、20代のあの日、車から降りられず会社を休んだ、あの惨めな経験を、二度と繰り返したくなかったんです。

こうして私は、怠け者のまま、逃げ道だけを塞いで、20年ぶりのフルマラソンへ向かうことになりました。

(続く)


📋 この時期の記録

  • 年齢:40代前半(20年ぶりの大会参加は43歳・県内の遠方の大会)
  • 練習:週1回、「これ以上ゆっくり走れない」ペースで20分から
  • 状態:最初は5分走るのもきつい → 20分が少しずつ楽に
  • 私の場合:継続の決め手は意志ではなく、フルにエントリーして「逃げ道を塞ぐ」仕組みでした

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