40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第15話。サブ4への最初の手がかり、イーブンペースを発見した話です。
こっそりとサブ4を目標に定めた私。とはいえ、決意した途端に何かが劇的に変わる――なんてことは、根が怠け者の私には起こりません。
ここからは、地道な手探りの話です。
春先の地元、4時間21分
サブ4を意識し始めて迎えた、春先のいつもの地元大会。結果は、4時間21分でした。
直前の県外大会が4時間40分オーバーだったことを思えば、悪くない。やはり地元の、知り合いに見られるかもしれない大会では、私はそれなりに頑張るようです。サブ4まで、あと21分。少しだけ、現実味が見えてきました。
単身赴任、終了
この大会のあと、3年間の単身赴任が終わりました。生活が、また一つ変わります。
環境が変われば、走り方も練習も変わる。これまで何度も経験してきたことです。今度の変化が、吉と出るか凶と出るか――それはまだ分かりませんでした。
私の、いつもの練習スタイル
ここで、私の毎年の練習パターンを、正直に書いておきます。
春先の地元大会が終わると、私の練習量は極端に減ります。夏場は、暑さもあって、さらに少なめ。そして9月頃から、ようやく距離を伸ばし始める。――これが、私の定番のリズムでした。
サブ4を目指すと決めたところで、根っこが怠け者なので、このリズムは、そう簡単には変わりません。
いつもの展開は、「足が先に終わる」
ここで、レース本番でのいつもの展開を説明させてください。
私の走りは、スタートからキロ6分か、それより少し速いくらい。このペース自体は、息が上がりきってしまうことはない、自分なりに”粘れる”ペースでした。
ところが、です。息はまだ粘れるのに、足のほうが先に終わる。 決まって30〜35kmのあたりで脚が売り切れて、そこからずるずると失速する。――これが、私の長年の”お決まり”でした。
つまり私の課題は、「息が苦しい」ことではなく、「脚が最後まで持たない」ことだったんです。
秋、ガーミンを買った
そんな頃、長年使っていたエプソンのGPSウォッチが、メーカーのサポート終了でアプリと連携できなくなりました。仕方なく――というより、前々から気になっていたこともあって、私はガーミンのランニングウォッチに買い替えます。大会の、2ヶ月ほど前のことでした。
この時計には、心拍を測る機能が付いていました。おまけに、目標レースを登録すると、日替わりの練習メニューまで提示してくれます。
例によって、私はそのメニューには従いませんでした。ガーミン先生の言うことを聞かない、不真面目な生徒です。
ただ、一つだけ守ったことがあります。ジョグのときに指定された心拍数を、あまり超えないようにしたんです。
すると、どうなったか。それまで何となくキロ6分前後で走っていた練習のジョグが、キロ6分20〜30秒まで落ちました。心拍を守ろうとすると、私の場合はそのくらいのペースになる、ということです。
年の瀬、6分で走る自信がなかった
そして迎えた、年の瀬の隣県の大会。車で行ける距離だったので、気軽に参加できました。
ここで私は、これまでと違うペースで走り出すことになります。
ただ、正直に言うと、これは戦略ではありませんでした。練習のジョグが6分20〜30秒だったせいで、本番でいきなりキロ6分を維持する自信が、なくなっていたんです。
だから、いつもの6分から一段落として、キロ6分20秒くらいで入りました。このペースなら、心拍的には問題ない。ただ、いつものように失速すれば、4時間半すら切れないかもしれない。「いつもより脚が長く持ってくれればいいなあ」――そのくらいの気持ちでした。
イーブンで、最後まで走り切れた
結果は、4時間25分。タイムだけ見れば、3月より少し遅い。
でも、中身がまるで違いました。
なんと――35kmを過ぎても、足が終わらなかったんです。最後まで、ほぼ同じペースで。生まれて初めて、イーブンペースでゴールまで走り切れた。
いつもなら30〜35kmで売り切れていた脚が、ペースをほんの少し落とすだけで、最後まで持つ。走り慣れた人には当たり前のことかもしれません。でも、長年「息はまだ粘れるのに脚が先に終わる」を繰り返してきた私にとっては、まぎれもない大発見でした。
しかも笑ってしまうのは、私はこれを狙ってやったわけではないということです。ガーミン先生の言うことを一つだけ聞いたら、練習のペースが落ちた。そのせいで本番に自信が持てず、仕方なく抑えて走った。その結果が、長年の壁を越えるきっかけになった。
「途中で脚が終わって失速する」のではなく、「一段抑えて、最後まで走り切る」。転がり込んできたようなものですが、サブ4への最初の確かな手がかりを、ようやく掴んだ気がしました。
ただし、現実は厳しい
――と、ここで浮かれる前に、冷静に計算してみます。
キロ6分20秒で42kmを走り切ると、タイムはおよそ4時間25分。まさに、今回の結果です。つまり、このペースをどれだけ綺麗に最後まで刻んでも、サブ4には25分も足りない。
サブ4を達成するには、計算上、キロ5分40秒前後のペースを、最後まで保たなければなりません。今回の6分20秒より、1kmあたり40秒も速い。それを、35kmで失速せずに、最後まで。
「抑えて最後まで走り切る」コツは、掴んだ。でも、その”最後まで保つペース”を、もっとずっと上げないといけない。
手がかりは掴んだ。けれど、本当の壁は、まだこれから――。
(続く)
📋 この時期の記録
- 年齢:57〜58歳
- 練習:4時間25分に向けては、夏は月30〜70km、10〜11月は月110〜160km。大会2ヶ月前にガーミンに買い替え、ジョグは指定心拍を超えないよう意識(結果、練習ペースはキロ6分20〜30秒に)
- 結果:3月の地元4時間21分(57歳)→ 12月、キロ6分20秒のイーブンペースで4時間25分(58歳・35km以降の失速が初めてなし)
- 計算:サブ4には、キロ5分40秒前後を最後まで保つ必要がある
- 私の場合:ペースを一段(キロ約20秒)落としただけで、長年の「35kmの壁」が消えました

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