痩せたのは、痩せようと思ったからじゃない

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40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第11話。どん底から、意図せず体が戻り始めた話です。

10kg太って、サブ4も忘れ、ただ「怪我なく走れれば」と願うだけ。前回はそんな、どん底の話をしました。

でも、底はずっと底のままではありませんでした。コロナによる中断の途中で、私の体は、自分の意志とはまるで関係のないところで、静かに変わり始めます。

もう一度の転勤、そして単身赴任

コロナで大会が初めて中止になった、その年のことです。私はまた転勤になりました。今度は、単身赴任です。

振り返ってみると、10kgも太ってしまった原因の一つは、転勤前の部署の環境にありました。業務が次から次へと降ってくる忙しい部署で、夕食が22時を過ぎるのは当たり前。あんな生活をしていれば、太るのも当然です。

ところが、転勤後の部署は、ある程度計画的に仕事が進む、規則正しい生活が送れる環境でした。

食にこだわりがない、という体質

ここで、私の体質が思わぬ形で幸いします。

もともと私は、食べることへのこだわりが薄い人間です。間食もあまりしないし、ある程度お腹が満たされれば、それで満足する。

だから、生活が規則正しくなっただけで――ダイエットなんて特別なことは何一つしていないのに、体重が自然と落ち始めたんです。

数ヶ月ぶりに体重計に乗ったら

面白いのは、私自身、痩せた方が良いとは思っていても、それを行動に移せる人間ではない、ということです。

なのに、ただ環境が変わったら、勝手に痩せていた。数ヶ月ぶりに体重計に乗って、「あれ? 痩せてる」。本当に、それくらいの感覚でした。

……考えてみれば、私はいつもこうです。走るのも、痩せるのも、自分で目標を立ててやったためしがない。環境が私を太らせ、環境が私を痩せさせる。締め切りがあれば走り、締め切りが消えれば止まる。 我ながら、つくづく自分の意志というものがない人間だと思います。

体は戻った。でも、走る量は戻らなかった

ピーク時から徐々に減っていった体重は、半年もしないうちに、ほぼ太る前の状態まで戻りました。

ただ――体重は戻っても、走る量は戻りませんでした。

出る大会がないのだから、走る理由もない。相変わらず、週に1回、短い距離を走る程度。体だけが軽くなって、練習量はそのまま。つくづく、締め切りがないと動かない人間です。

そんな日々が、さらに一年続きました。

そして、中断3年目

そして迎えた、中断3年目。コロナが完全に収まったとは言えないものの、その年の大会は、当初は開催予定でした。私はエントリーし、無事に当選。

すると、現金なものです。締め切りができた途端、練習量が目に見えて増えました。 コロナを気にして人との接点は避けながらではありましたが、月に100km走った時期もあったほどです。

体も戻った。練習も戻った。気持ちも整った。いよいよ――。

ところが、また

ところが、です。

コロナの再拡大により、その大会もまた、中止になりました。3年連続です。

体は戻った。気持ちも整った。なのに、走る場所だけが、またしても消えてしまった。

それでも、このときの私には、もう焦りはありませんでした。締め切りさえ戻ってくれば、自分はまた走れる。それだけは、確信していたんです。

――そして翌年。いよいよ、本当の復活の年がやってきます。

(続く)


📋 この時期の記録

  • 年齢:53〜55歳(コロナ中断1年目に転勤・単身赴任)
  • 状況:規則正しい生活に。ダイエットは一切せず
  • 結果:半年もしないうちに、ほぼ元の体重に戻る。ただし練習量は週1回程度のまま。中断3年目にエントリーが決まると、月100km近くまで増えた(大会は中止)
  • 私の場合:体重は環境の変化で勝手に戻りましたが、走る量だけは「大会」がないと戻りませんでした

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