40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第16話。「速く、しかも最後まで持つ脚」を求めて、怠け者がたどり着いた練習方針の話です。
前回、ペースを一段落とせば脚は最後まで持つ、ということが分かりました。
でも、それだけではサブ4に届きません。必要なのは、キロ5分40秒前後。あのとき走った6分20秒より、1kmあたり40秒も速いペースです。しかも、それを最後まで落とさずに。
速くする。そのうえで、脚は最後まで持たせる。 その両方を、どうやって手に入れるのか。今日はその、地味で、たぶん非効率な話です。
まずは、情報収集から
今の時代、ネットやYouTubeを開けば、トレーニング法はいくらでも出てきます。
これまでも、そういう情報を見ていなかったわけではありません。ただ、明確な目的がなかったので、「ふーん」と眺めて終わり。頭にはほとんど残っていませんでした。
でも、今回は違います。サブ4という目標ができた。同じ情報でも、目的を持って見ると、ちゃんと目に入ってくるものです。
ビルドアップ走、インターバル走などなど――。なるほど、効率よく脚力やスピードを上げるには、こういう練習がいいらしい。私も時折、見よう見まねで試してみました。
でも、続かなかった
でも、正直に言います。こういう”効率的な練習”は、私にはあまり続きませんでした。
ビルドアップもインターバルも、要するにキツい。楽したい、面倒は嫌いという根っからの怠け者の私には、その手のしんどいメニューを毎回こなすのは、どうにも性に合わなかったんです。
それに、もう一つ引っかかることがありました。怪我のリスクです。
50代後半の体で、急に速く走る練習を増やせば、どこかを痛めるのではないか。そこで故障すれば、走ること自体ができなくなる。それが怖かった。
――もっとも、これも半分は言い訳だったのかもしれません。キツい練習をやらなくていい理由を、探していただけのような気もします。
おまけに、自分に都合のいい情報も耳に入ってきます。「練習はスロージョグ中心でも、本番ではアドレナリンが出るから、案外なんとかなる」――そんな話も、あったりするんです。怠け者の私は、それ幸いと、「だったら、無理にスピード練習をやらなくてもいいか」と、ちゃっかり言い訳に使ったわけです。
時折やってはみる。でも、習慣にはならない。結局、長続きしませんでした。
たどり着いたのは、拍子抜けするほど単純な作戦
そうして最終的に私がたどり着いたのは、驚くほど単純な作戦でした。ここから本番まで、私がやったことは結局これだけです。
走る日を、増やす。走る距離を、伸ばす。そして、夏もサボらない。 ――ただ、それだけ。
(このうち「夏もサボらない」は、少しあとになって加わった方針です。そのあたりの経緯は、次回に。)
スピード練習で効率よく、ではなく、とにかく走る量を積む。おそらく、サブ4を狙う作戦としては、いちばん非効率なやり方だったと思います。
ちなみに、その「走る」の中身も、じつにいい加減です。ペースはその日の体調任せで、キロ5分半から6分半くらい。おおむね6分前後を、なんとなく走る。速い日も遅い日も、狙ってそうなったわけではありません。メリハリもなければ、計画もない。ゆっくり長く走る「LSD」と呼ぶにはペースが速すぎる、本当にただの自己流でした。
でも、これが私には合っていました。キツいメニューはサボるくせに、「ただ距離を踏むだけ」なら、怠け者の私でも、なんとか続けられたんです。
もう一つ、地味に効いたことがあります。
ガーミンを買ってから、私はジョグのときに指定された心拍を、あまり超えないようにしていました(もっとも、守る日もあれば守らない日もある、いい加減なものでしたが)。守ろうとすると、練習のペースは自然と落ちます。
すると、走ったあとの脚への負担が、少し軽くなった感覚があったんです。これなら怪我もしにくいだろう、と思えた。その安心感のおかげで、走る日を増やすことができました。結果として、月の走行距離が伸びていったんです。
速く走る練習ではなく、ゆっくり走ること。それによって走る頻度が増え、結果としてたくさん走れるようになった。私にとっては、そういう順番でした。
ネットの情報で、一つだけ取り入れたもの
スピード練習は続きませんでしたが、ネットで見た情報の中に、一つだけ取り入れたものがあります。
大会前に、30kmを走っておく。
サブ4を目指す人の練習法を調べていると、これはよく出てきました。それまで私の長い練習は、せいぜい20km台。「30kmなんて、練習で走るものなのか」と思いましたが、複雑なメニューをこなすわけではなく、ただ長く走るだけ。それなら、私にもできそうでした。
この30km走が、あとになって、じわじわと効いてきます。その話は、次回から。
非効率でも、続けられることが正解だった
振り返ってみれば、これは私には理にかなっていたのかもしれません。
私が欲しかったのは、“速いペースでも42kmもつ脚”でした。ゆっくりなら持つことは、もう分かっている。その”持つペース”の方を、少しずつ引き上げていくしかない。
だとすれば、ただ走る量を増やして地道に脚を作るのは、遠回りに見えて、案外、私には合った答えだったのかもしれません。
そして何より――どんなに効率的でも、続かなければ意味がない。効率的だけど続かない練習より、非効率でも続けられる練習。 怠け者の私にとっては、これが唯一の正解でした。
そして、結果が動き始める
いちばん非効率なやり方で、ただ淡々と、夏も逃げずに走り、距離を伸ばしていく。
すると――少しずつ、本当に少しずつ、結果が動き始めたんです。
あれほど遠かった「あと25分」が、じわじわと縮まっていく。サブ4が、現実の射程に入ってくる。
その、最後の階段を上っていく話は、次回から。いよいよ、クライマックスです。
(続く)
📋 この時期の記録
- 年齢:58歳ごろ
- 練習方針:ビルドアップ走・インターバル走などのスピード練習は、キツさと怪我への不安から断念。「走る日を増やす・距離を伸ばす・夏をサボらない」に一本化
- 走り方:その日の体調任せでキロ5分半〜6分半(おおむね6分前後)。メリハリなし、計画なしの自己流
- 私の場合:効率的だが続かない練習より、非効率でも続けられる練習。怠け者には、これが唯一の正解でした

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