同じ練習なのに、30分も遅くなった

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40代前半に「ふわっと」走り始めた怠け者ランナーが、59歳でサブ4を達成するまでの実録シリーズ(全19話・週1〜2話ペースで公開中)・第13話。初めての県外遠征で、「年齢」を数字で突きつけられた話です。

3年ぶりの復帰レースを終えて、タイムはぼちぼち。それでも私は、また大会で走れたことに、十分な満足を得ていました。

そしてこの頃、私の気持ちは、少しずつ変わり始めていたんです。

「逃げないため」から「楽しむため」へ

これまで私は、「走ることから逃げないため」に大会にエントリーしてきました。締め切りを作って、怠け者の自分を無理やり縛るために。

でもこの頃には、その動機が変わっていました。

――今後も、これくらいの感じで、大会参加を楽しめたらいいな。50代後半になっても、これだけの体力を維持できていれば、十分じゃないか。そんな、肩の力の抜けた気持ちになっていたんです。

趣味のない男の、唯一の趣味

私はもともと、趣味らしい趣味のない男でした。

そんな人間が、気づけば10年ほど、大会参加をモチベーションに走り続けてきた。ここまで来れば、もう「ランニングが趣味です」と言っても、許されるんじゃないか。そう思えるようになっていました。

かつては逃げ道を塞ぐための”締め切り”でしかなかった大会が、いつの間にか、私の”趣味”になっていた。我ながら、驚くべき変化でした。

初めての、県外遠征

そんな気持ちもあって、私はいつもの大会の3ヶ月前に開催される、初めての県外の大会に、泊まりがけで参加することにしました。

わざわざ県外まで出かけ、宿に泊まって、走りに行く。……かつて私が「お金を払って、わざわざ苦しみに行く、頭のおかしい人たち」と見下していた、まさにあの人たちに、私は完全になっていたわけです。人生、分からないものです。

「足を残して帰りたい」から、しっかり練習した

県外の大会には、移動がつきものです。だから、走り終わったあとも足に余裕がある状態で、帰路につきたい。そう思って、私は今回、それなりにしっかり練習を積みました。

距離的には、あの4時間10分台で走れた頃と、同じくらいの練習量です。「これだけやっておけば、まあ大丈夫だろう」。私はそう思っていました。

結果は、4時間40分オーバー

ところが、です。

結果は、4時間40分オーバー

アップダウンのきついコースのせいも、あったとは思います。でも、想定よりずっと早い、30km手前で足が終わってしまった。足の痛みも、なかなかこたえる大会でした。

もちろん、初めての県外遠征そのものには、満足しました。新しい土地で走るのは、それはそれで楽しかった。

これは、気のせいじゃない ―― 年齢だ

ただ、このとき私は、ある事実を認めざるを得なくなりました。

前回の復帰レースでも、「練習量のわりに、結果が出ていない」とは感じていました。でもあのときは、「3年ぶりだし、気のせいかな」くらいで済ませていたんです。

でも、今回は違う。4時間10分台で走れた頃と、同じだけ練習した。なのに、結果は4時間40分オーバー。コースの違いを差し引いても、その差、およそ30分。これはもう、気のせいなんかじゃない。

同じことをしても、同じようには走れない。私は初めて、「年齢」というものを、はっきりとした現実として、突きつけられたんです。

昔の自分なら、ここで諦めていた

年齢には勝てない。同じ練習では、もう昔のタイムは出ない。

――昔の自分なら、ここで「歳だな」と苦笑いして、それまで通りに走っていたはずです。記録を追うことはせず、完走を楽しむ、ゆるいランナーとして。

ところが、です。私はこのあと、なぜか正反対の方向へ走り出します。

よりによって、サブ4という、努力すれば手が届くかもしれない目標に向かって。

(続く)


📋 この時期の記録

  • 年齢:57歳
  • 練習:3月の大会後もほぼサボらず、夏は月70km程度、大会前2ヶ月は月120km程度+20km超を2回(4時間10分台の頃とほぼ同水準)
  • 結果:4時間43分(30km手前で失速)
  • 私の場合:同じ練習量で、約30分遅くなっていました。これが私の「年齢の実測値」です

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